2013年9月15日日曜日

9/14 ウフィッツィ美術館

とにかく10時に予約しているのだから、早く起きるに越したことはない。
HotelExecutiveの0階レストランは一番乗りだ。
複数種のパン、ベーコン、ハム、スクランブルエッグ、チーズ、フルーツ、飲み物類が並んでいる。この品揃えはイタリアのホテルとしては良い方だろう。が、やはり生野菜は無い。
暫くしてようやく他の客も入ってきた。
半分は東洋人だ。中国人が多い。

朝食を終えたら身支度を済ませて出発だ。
アルノ川に出て、そのまま川沿いを東に歩く。途中、殆ど駐車場と化した橋がある。狭い街であり狭い道、苦肉の策だろうか?
ジョギングをしている人も多い。多分観光客だろう。

ポンテベッキヨを右手に通り越し、左に折れ小路を入って行くと、ウフィッツィ美術館のど真ん中にショートカットできたようだ。

ホテルで貰った説明書通りに3番の窓口にいくと既に数組が待っている。
予約してあっても安心はできない。予約者の行列が凄いのだ、と聞いていたのだが、土曜日の割に大したことはなかった。チケットを購入して入り口に向かったが、時間が早い(9時半)のでもう少し後で来いという。イタリア人の割に妙な所で几帳面だ。
ふと視線を転じれば予約のない人の行列は100人程にまで達している。やはり予約料金の効果は有るようだ。

隣のシニョーリア広場で写真を撮って待っていると、ウェディング姿のカップルが…あまり若くはなさそうだが幸せオーラいっぱい。思わずシャッターを切る。

直ぐ隣を中国人団体が通り過ぎていく。歩きタバコのおっさんの多いこと、多いこと。いまどき珍しい光景だ。

5分前になったので入り口に行くと、今度はすんなり通してくれた。
入場もスムースで、早速3階の展示室から鑑賞をし始めた。

中世後記、ルネッサンスの扉を開けたと言われるジョットの『聖母子像』がまずは目を引く。やはり同時代の他の作家とは一線を画す。
より立体的あり、より人間的なのである。
この辺りの絵画からしっかり見ていくと、中世ビザンチン様式からルネッサンスに変化してゆく様が窺えるのである。

写真はもちろん御法度なので残念だが、それでもスマホで撮影する愚か者は洋の東西にかかわらずいるものだ。時折、係員に叱られる光景を目にしたが、概してここの係員はユルい。業を煮やして一度などは妻が若い娘(イタリア人か?)に注意していた。日本のオバチャンを軽くみてはいけない!

私の付け焼き刃的な説明も限界に達したのと、荷物の重さに耐えられなくなった私達は、荷物預かりに預けることとし、ついでにオーディオガイドを借りるために一階に降りることにした。
すり減った石の階段を三階ぶん昇り降りするのは相当辛い。しかも天井の高さときたら我が家の倍では済まない。
有りました、有りました!エレベーターが目立たない所にひっそりと…歳をとるとそういう物を見つける勘だけは鋭くなるものらしい。

荷物預かりは無料、オーディオガイドはダブルタイプ(二人同時に同じ説明が聴ける)で10ユーロ。
もちろん、その後もエレベーターで三階に戻り再びジョットから再開である。

オーディオガイドの威力は絶大だった。日本語対応している場所も少ない中で大いに助かった。
美術館ではこういうものはやはり利用しなくては…
ウフィッツィから見るアルノ川とポンテ・ベッキオ
この美術館の主役は何といっても、ボッティチェリだ。個人的に私はそう思っていたし、今回もそれを確信した。
『ビーナスの誕生』『春』が描かれた背景とその意味をしってみると、なおのことこれらの絵画の素晴らしさを感じずにはいられない。

時折、回廊に設置してあるベンチで足腰を休めながら、三階の展示を見終わると、大きなテラスに出られる。そこでは、ドゥオーモのクーポラを見ながら水分補給して一休み。

二階はルネッサンス以降のマニエリスム等が中心になっているので、それをあまり好きではない私は音声ガイダンスのある作品にのみ的を絞り端折って歩いた。

それでも、美術館を出たのは15時をとっくに回っていた。

やはり、疲れた。
妻に言われた『着いた翌日に美術館の予約を入れないでね。』同感だ。

ドゥオーモの横を通り過ぎ、昨日行きそびれたトラットリアを目指す。夜の予約をして、一旦ホテルで休み、夕食に出かけようという算段だったが、トラットリアはドアも開かない。気落ちしながらも、途中でミネラルウォーター(ガス入り)を買ってホテルに戻った。
徳用1.5lのミネラルウォーターが昨日は1ユーロだった。これでも随分安いと思っていたのだが、今日買った所では何と0.55ユーロだ。
この店の存在はホテルのボーイに聞いていた。あいつはなかなか良いヤツだ。ホテルの部屋にもバカ高いミネラルウォーターは置いてあるというのに…

フロントでトラットリアの予約を頼んで部屋でくつろぐ。レストランの予約はホテルにしてもらうのが一番だ。
今回はテラス付きの部屋。なかなか気持ちよい。


ようやく目的のトラットリアに行けるぞ!
店の名前は Trattoria I due G である。
時間になりトラットリアまで歩くと、丁度開店時刻の19時30分だ。
どうも一番乗りのようだ。

ホテルからの予約だと伝えると、機嫌よく窓際の席を指し示した。

アーモイタリアのプリントアウトを見ながらメニューを決める。
まずは飲み物。
私はハウスワイン、妻はガス入りミネラル。

飲みながら料理を考える。
もちろん、一品ずつを二人でシェアするのだ。
まずは緑のリゾット。ホウレン草の緑が鮮やかだ。
そして野菜のフリット。二人とも、どうも野菜に飢えているらしい。

これを食べながら肉料理を考える。
結局、「炭火焼牛肉の薄切りグリーンペッパーとローズマリー」というのを頼んだ。
「薄切り」と言っても、充分な厚みなのだが・・・・


リゾットは思っていた程にはほうれん草の香りがしなかったが、微妙にゴルゴンゾーラの薫りがする。これにパルメザンをふりかけて食べるので、濃厚な味である。

野菜のフリットは、まあ野菜の天ぷらと思えばよい。ちょっと期待はずれか?
最後の肉料理は美味しかった。特にローズマリーの薫りが牛肉の脂を爽やかなものにする。

お店の店員さんも、愛想の良い人達で、とても楽しかった。


最後にチョコレートケーキと私はエスプレッソ、妻はカプチーノを頼んだ。
するとそこに、何とアーモイタリアの堂さんが店に入ってきたではないか。
こんな偶然もあるものだ、と感心するや否や既に妻は席を立っていた。
面識もない堂さんに話し掛けに行くと言う。

私も渋々ながらご挨拶だけして席に戻ったのだが、妻が戻ってきたのは暫く経ってからであった。
こういうところの勇気というのか図々しさというのか…時折、感心してしまうのである。

最後のエスプレッソは本当に美味しかった。何年ぶりだろうエスプレッソなんて。
妻は無類のカプチーノ好き。


兎に角、美味しい料理を堪能してホテルに帰ったのは22時前。

即刻、爆睡したことは言うまでもない。

0 件のコメント:

コメントを投稿