2013年9月16日月曜日

9/15 憧れのダビデ像

昨日のスケジュールがタイトだったことを反省して、今日はのんびり過ごすことにした。

とは言っても、朝は早く起きてしまう。
7時過ぎには食堂に行ったら、今日は一番乗りではなかった。

驚くことに全て東洋人。
しかしお互いは決して話し掛けないのだ。
耳に入る言葉から推測するに、私達を含め日本人は三組、中国人は二組だ。

日本人の女性は誠に偉い!
食堂を出て行く時には必ず紙ナプキンで、フルーツやらパンやら包んで持って行くのだ。
勿論、うちの奥様もそうなのだが…

徐々に東洋人が去って行くと、次なる主役はアメリカ人となる。
リタイア組カップルのオンパレードだ。
きっと私とそれ程には歳も違わないのだろうが。
彼等の朝食シリアルから始まる。
旦那はそれにミルクを、奥様はプレーンヨーグルトをかけて口に運ぶ。
ほ~、皆さんダイエットに勤しんでいらっしゃる、感心していたのだが、それが終わると一斉に卵やベーコンを取りに行く。彼等には彼等の作法があるらしい。体型を見ればシリアルだけで終わる筈など有り得ないのは明白だった。

そう言えば今回、カプチーノを一度も飲んでいない。給仕をしている女性に頼んだら快くシーと返事を返し、暫くして運んで来てくれた。
誰も頼んでいなかったし、私達もつい忘れてしまっていたのだ。
日本ではめったにコーヒーを飲むことのない私だが、イタリアで飲むカプチーノと昨夜のエスプレッソは最高だ。

日本では台風が近づいているとの記事を目にしたので、娘に安全確認のメールを入れておいて、我々も外出の準備をのんびりし始めた。こちらも朝から雨模様なのだ。
空が明るくなったのを見計らって出掛けることにした。

フォッシ通りにアンティークのお店があり、何かかわいい物があれば買って来て欲しいと娘から言われてきたので、まずはそのフォッシ通りを目指す。
ホテルの前から東に向かう道を真っ直ぐ歩いていくとゴルドーニ広場に出る。フォッシ通りはそこから直角に始まる。

が、着いてみて気づいたのは、今日は日曜日だということだ。殆どのお店は休んでいる。
仕方なく、ゴルドーニ広場からヌオーヴァ通りをリプブリカ広場に向かう。
ストロッツィ宮

フィレンツェの銀座とでも言うべきかブランドショップが軒を並べている。
Gucci, Bvlgari, Prada, Cartier, Lois Vuitton ・・・ブランド物に何ら興味のない我々だったが、唯一目を引いたのはフェラーリのショップだ。リパブリカ広場に入る寸前、特徴のある、あの赤がイヤでも目に入る。

孫でも出来たらFerrariのベビーカーでも?
大きな門を潜り抜けるとルプブリカ広場に出る。


広場には仮設のメリーゴーランドがあり、古書市も開いていた。
周囲は高級レストラン、高級ホテルが軒を並べる。

リパブリカ広場を過ぎると、通りはコルソ通り、アルビーツィ通りと名前を変え、徐々に庶民的な雰囲気になっていく。
更に東進して、今日の目玉である、レストランAnticoNoeを目指す。
薄暗い所て入りにくい店というふれこみなので、ランチで利用することにしたのだ。

借りてきたwifiルータとスマホのMap機能のお陰で場所はスムースに見つかったのだが、全然お腹が空いてない。
のんびり、たっぷり朝食をとった成果が遺憾なく発揮されている。

暫くサンタクローチェ広場を中心に革製品のお店を見て回ることにした。
23年前には、この辺には革製品の露天が、文字通り軒を並べており、私の23年来の仕事の相棒はこの辺で手に入れたのだが、今は露天も数を減らしたのか、若干寂しい。
また、面白そうな商品も少ない。

ちゃんとした店舗にも何軒か入ってみたがセンスの良いバッグには出会わないのだ。時折見かけるジモッティが持っている、シンプルでオシャレなバッグは一体どこで売ってるんだ?

ガイドブックによればサンタクローチェ教会は日曜日でも開いている筈なのに、ここもクローズだ。アメリカ人観光客も不振気に入り口を覗きこんでいる。
サンタクローチェ広場

サンタクローチェ広場
私が教会の入り口を覗いている間に、妻は近くのお店をひやかしている。
そのうちに、妻は中国人団体の添乗員に『集合して下さい!』とばかりに声を掛けられてしまったようだ。私が気づいた時には中国人添乗員が『ジャパニーズ?』と大声を上げて、妻と二人で大笑いしていたのだ。

やはり、どこに行っても中国人団体は多い。日本人観光客は二人連れが多く団体で来たとしても団体行動をしない。勿論、日本人同士だと分かっても、素知らぬ顔で通り過ぎる。
どちらが良い悪いではなく、中国人団体観光客を見るにつけ、40~20年前の日本が元気よく、ヨーロッパをも我が物顔で闊歩していた頃を思い出す。

ランチタイムの終了時間も気になるので、さほど減っていないお腹を抱えてAnticonoeに。

ここにも既に日本人が数組。今や日本人はこういう行動をする(私達を含め)のだ。ネットを駆使した個人旅行。

お目当てだったアーティチョークは季節的に無いと言われたので、フィレンツェ名物のトリッパと、この店で評判が良いと言われているペンネを注文した。しかし、これが失敗だった。
私達の選択ミスなのか、この店のすべからくがそうなのか、兎に角、味が濃い!
トリッパもペンネもそれ自体は美味しいとは思うのだが、味が濃すぎてフォークが進まないのだ。水を飲んでもワインを飲んでもフォークは進まない。

今晩は、どこかでトマトを買って、朝食の残りのパンで十分だということに即決し店を後にした。
料理は実際に口にしないと分からないとは、当たり前のことだった。
雨も降ったりやんだりの1日。

バルジェッロ国立博物館は彫刻のコレクションが主なものだ。
憧れていたドナテッロの『ダビデ』像がある。
実は今回、これだけは絶対見逃すまいと思ってきた。

バルジェッロ国立博物館の中庭から

ここは彫刻も素晴らしいが、1200年代の建てられた建築そのものが素晴らしいし、アーチ型の天井にかかれた文様も美しい。

誰しもダビデ像と言われればミケランジェロのそれを思い浮かべるし、私も少し前まではそうだった。だが、ある時ドナテッロの作品を知ってからというもの、私にとってのダビデ像はドナテッロのそれに変わってしまった。

少しだけ、受け売りの知識を述べさせてもらうと、ダビデはフィレンツェの象徴なのである。
ダビデとは、旧約聖書に登場する英雄であり、ユダヤの強敵ペリシテ軍の巨人ゴリアテを武装もせず、素裸で打ち負かした。常に強国の存在に脅かされ続けてきたフィレンツェ市民にとっては、精神と文化が武力を制圧するダビデこそが英雄なのだ。

憧れのダヴィデ像

その意味では、私にとっては、筋骨隆々としたミケランジェロのそれよりは、ドナテッロのダビデ像の方が相応しいとも思うし、個人的にもそのあどけない姿に心惹かれてしまう。
感動をもって会えることができた。
ボッティチェリと並ぶ、素晴らしい出会いだった。

雨が少しずつ激しさを増してきた。
ミニトマトを買って帰る途中、名もない小さな教会からオルガンの音色が聞こえてきた。
どうやらオルガンコンサートのようだ。


雨宿りを兼ねて中に入ってみる。観客は一組のみ。
勿体ないことだ。
椅子に座ってオルガンの音に包まれる。フォルテシモの時には魂まで震えてしまうほどの大迫力。
妻は「CDを流してんじゃない?」と言うが、よほどの」オーディオ設備でもない限りあんな地鳴りのような低音は出ない。しかし、ミスタッチは無いし・・・上手い!

教会の正面には『受胎告知』をテーマとしたステンドグラスと絵画。持参したオペラグラスで素晴らしさを確認する。

イエスの姿は磔像として脇に小さく存在するのみだ。多分、サンタマリアXX教会なのだろう。
私がイタリアに来て良いと思う大きな理由として、時として素敵な教会に出会え、そこに気楽に入る事ができることが大きく挙げられる。


今日は胃の調子もイマイチになってしまい、再び部屋食。
先刻見つけたスーパーに立ち寄って食材を購入。
イタリアは本当に食料品が安いと思う。とりわけトマトは信じられないくらい安い。
季節的なものかもしれないが、去年の5月に来た時よりは味は劣る気がするが・・・・
イタリアではトマトがとても安い
今晩はあっさりと部屋食

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