昨日の極度の疲労への反省から、この日は買い物に徹することにした。
小物のお店を診て回るが、なかなか、娘が気に入りそうな品物が見つからない。
兎に角、娘が言っていたフォッシ通りには思うような店はない。
その通りは諦め、ベッキオ橋に向かう裏道を歩いてみる。庶民的な八百屋さんの隣に、オシャレな文具屋さんがあり、娘が気に入りそうな物が幾つか見つかる。
店員さんも愛想の良い奥様然とした素敵な人だ。日本人客も多いとみえて、日本語の会話に時々英語を入れれば十分に会話ができる。
日本の雑誌で紹介された記事も嬉しそうに見せてくれたし、私が革製のブックカバーに興味を持ったときにも『ブンコ』と言ってサンプルを示した。確かにそれは日本の文庫本だった。
ここまで、やられると胡散臭く思えてしまうのが常なのだが、なにせ、マダムの上品な魅力に、二人ともが疑り深い気持ちは吹っ飛んでいた。
必ず帰って来るからと、言い残し、営業時間を確認した上で別のお店に。
直ぐ隣は皮革専門店のだが、原寸大の馬の作り物(革製)があり、ギョッ!
更に進むと文具で有名なParioneだ。
思ってた以上に狭い店で、さすがに欧米人客も出入りしている。クリントン夫妻が来店した時の写真が自社製品のマーブル模様のフォトスタンドに入れて自慢げに飾ってある。店員のオッサンは高ピーだし、店内は暑いので、私は外で待つことにした。妻が店内を物色中に私は商品を写した写真を娘にメールして確認することにした。今日は娘も休みの筈だが、なかなか返信がない。
まあ、ここらで一度電話をかけるのも悪くない。
たった数日間だが、懐かしい声だ。
お互いに元気な事を確認しあって、メールの件を伝えて手短に話を終えた。
さあ、ようやくお定まりのベッキオ橋だ。
なんと、今回は最終日にして初めての訪れだ。
嫌になるほどの人出である。
ポンテ・ベッキオの上にあるバザーリの回廊 この小窓からロレンツォは庶民の監視をしていた。 |
文具屋さんに入ってみると若い女性の日本人店員が・・・・フィレンツェに来て5年というが、イタリア語、英語も自由自在の才女だ。
フィレンツェではマーブル模様プリントが有名であるが、彼女が実演までしてくれたので、小物を少々購入。
若くて綺麗な人だったが、頑張っている。イタリア男とでも結婚したのかな?
デモンストレーションをする日本人スタッフ |
ここに紙を置いてマーブル模様をプリントする |
両側に立ち並ぶお店を冷やかしながら、ピッティ宮まで。
ここに入る気は無いので、前の大きな広場で休憩。
ピッティ宮殿 |
帰り道は道路の反対側を覗きながら進む。大きくもないバッグ屋に入ってみる。このての店では日本語をしゃべるお兄ちゃんも少なくはないが、ここの兄ちゃん(後で聞けば55歳だった)の日本語はすこぶる達者だった。
名古屋からきたと言えば、友人が名古屋に以前あった「イタリア村」で働いていたとか、更に売買交渉が進むうちに、実は彼の奥さんが日本人だということも分かった。息子のビデオをスマホで見せてくれた。確かにハーフの子である。
「ボク、黒木メイサ大好きね!なのにヘンなジャニーズの男と結婚して信じられない!」
「高級ブランド買うヒト、バカね!フェラガモの1000ユーロのバッグ、本当は50ユーロ」
口が達者だと言えば「ジローラモよりマシね!」
ま、ただの騙しでもあるまい。笑いながら、妻はハンドバッグを、私はリュックを購入した。
久し振りに妻以外の日本語を楽しんだ。
さて、お店が終わらないうちに文具屋さんに急ごうとしたが、途中でまたしても、オル・サン・ミケーレ教会とサンタ・トリニタ教会に立ち寄りたくなってしまう
昨日も入ったオル・サン・ミケーレ |
サンタ・トリニタ教会 |
サンタ・トリニタ教会は、かなり後方にロープが張られ、あまり前までは近寄ることが出来なかったが、これで、今回のフィレンツェでの教会見学は思い残すこと無く堪能できた。
あとは、娘へのお土産。
と、その前に・・・ようやく感じの良いジェラート屋さんを見つけた。
その名はVenchi
Venchiというジェラート屋さん |
普通のジェラート屋さんとはちょっと違うセンスに惹かれて入った。
アメリカナイズされた清潔な店で、制服に身を包んだ若い娘さんが店員である。
客足が全く途切れない、今や人気店らしい。
美形の店員さんもウリかな? |
私はキャラメルとノーマルクリーム、妻はピスタチオ、キャラメル、ラズベリーのコンビ。
美味しかった。大満足。
もっと何度も来ればよかったなあ、と後悔。
ジェラートを食べた後はParioneと、くだんのマダムの店を行ったり来たりしながら、商品を決める。
結局Parioneではフォトスタンドを、マダムのお店では、私のブックカバーとペン立てを購入した。
マダムは終始笑顔を絶やさない。日本語の感じも笑顔もイタリア人というよりフランス人っぽい。
まるで若いモレシャンさんのようだった。
有名なParione |
フォレンツェのモレシャンさん |
Rilegatore Di Libriというお店。もしフィレンツェに行く機会があれば、あの笑顔を会いに行って欲しい。
こないだのトラットリア I DU Gに決めた。
7時半の予約には少し遅れたが、入ってみると殆ど日本人。同じホテルの四人組も居たが、どうも彼らは我々を(日本人と関わるのを?)避けているようだ。
時代は変わり、団体行動の少なくなった日本人ではあるが、インターネットを頼りに結局同じ所に集まってしまう・・・・この珍現象は大いに奇妙だ。
隣に座った船橋から来たという御夫婦とは随分親しく話をさせて貰った。
娘さんがイタリア人ハーフと結婚されたのでその縁で来たという。
先日までは娘さん夫婦に同行していたが、フィレンツェからは別行動だという。
彼等もこの店はリピーター。ご主人はi-Pad持参。今回の旅行のために買ったという。
メニューもi-padの画面を見せて註文している。
互いにアーモイタリアのチカラを絶賛しながら多いに話は盛り上がった。
「お二人の写真、お撮りしましょうか?」と提案すると、すこぶる喜んだ。
「実はまだ一枚も二人の写真ないんですよ。や~嬉しいな!」
私はi-Padのシャッターを切った。
私達は今までも外人からツーショットと撮ってくれ、と頼まれる事が多かったので、その都度こちらも撮って貰っている。
今日は日本語をたくさん聞いて、たくさん喋った一日だった。
ポルチーニ茸のスパゲティが薫り高く美味しかった |
野菜の煮込みスープは抜群に美味しかった |
フィレンツェ最後の夜 |
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