2013年6月19日水曜日

イタリア語と電子書籍

とうとう、手を出してしまった。
始めから断っておくが、決して成就することはないのです。と、エクスキューズからスタートしたのは…もちろん大層自信が無いからである。
勿体ぶるまでもなくタイトルを読めば一目瞭然なのだが、何ともこれが気恥ずかしい。
まともに英会話も出来ないのに何がイタリア語だよ~!という気持ちが長年私を支配していて、それでいて英会話を学ぼうともせず、今日に至ってしまったというのが正直なところだ。
あ~それなのに、それなのに、自らの怠惰な性格も省みず、禁断の毒入りリンゴに手を出してみようと思い立ったのは、ある人のブログを読んだからだ。
サンジミニャーノとシエナの旅をどうしようかと考えてネットで情報収集して見つけたブログだ。筆者は私と同年輩と思しき男性。やはりバスの乗り換えが大変だった事が書かれてあり、私としては有益な情報に違いないのだが、それ以上に興味を持ったのは、彼の奥さんがNHKラジオのイタリア語講座を一年間勉強したおかげで、バスを待つ間、現地のお爺さんと親しげに話していた、という一文だ。
NHKのラジオで?
たった一年間で?

だって、こちとら10年も英語を学習したにも関わらずこの何ら実践に役立ったという実感がないのだから。
一度なんて「スピードラーニング」試してみようかな?と思った事もある。
だが、世の中にはマスコミ等では大騒ぎなのに、身の周りでは全く体験者が居ない、という事象はよくあるもので、このスピードラーニングもそんな一つだ。
CMでは、学校の先生兼住職の人がさもスピードラーニングで英会話ができたみたく言ってるけど、ネットで調べてみれば「聞くだけで英語が喋れるようになる訳が無い!」と断言している人が大勢だ。「英語を聞いているだけでペラペラ喋れるようになったらノーベル賞ものよね?」って誰かは言っているかも知れない。
まあ、「スピードラーニング」の真偽の程は置いておいて・・・話が脱線した。
問題は、同年輩ご夫妻イタリア旅行のブログです。
『じゃあ、ひょっとして自分も?』って思い込むのも無理はないっしょ?
悪魔の耳元でささやくのだ”お前にもできるよ”って。
気持ちは直ぐに決まった。
(その奥さんがどの程度の会話をしたのかは定かではないのだが・・・・)

毎日決まった時間にラジオを聴く事は無理だ。また、PCでラジオ番組を録音する事も可能だが、NHKも不測の事態には予告なしに番組編成を変える事があるので不安が残る。それに、教育番組は4月スタートが多く、こんな中途半端な時期から始めるにはバックナンバーが要る。
なら、CDを購入するよりない。1ヶ月分1,580なり。Amazonなら送料無料。
テキストはどうするか?
一カ月分の紙テキストは本体400円に送料が60円。合計で460円である。
それに比べ、電子書籍だと350円と大幅に安い。こりゃ電子書籍に決まりだね!


実は私は既に電子書籍の利用者である。
使っている端末はAmazonのKindle。
数年前iPadを購入した時には、電子書籍に大いに期待したものだったが、当時は未だ日本の出版社にはそれを迎え撃つ体制が全くできておらず、まともなものと言えば、著作権の切れた古典のみだった。(そのお陰で漱石や芥川を久々に読むことができたのだが…)
あれから数年が経ち、状況は変わった。Koboを始め廉価なリーダーも増え、対象となる書籍も増加してきた。
書架に収まりきらない自分の本に困り果てていた私は決心をした。
これからは電子書籍だ!



Amazonの製品に決めたのは、それまでもAmazonのサイトで本を購入していたからという単純な理由である。
しかし、今のところこれで満足している。
電子ペーパーなので、液晶に比べても目に優しい。
また、ページめくりの時とバックライト以外には電池を消費しないという。一度の充電で、軽く3週間はもっているようだ。
それに何と言っても、寝る前の読書には最適なのだ。紙の本だと、どうしても部屋の明かりを点けなければならず、同室者に遠慮も必要。ところが、電子ペーパーは輝度調整も簡単なので、暗闇の中でも最低の輝度で読めば眼は疲れない。 
眠くなったら、カバーを閉じれば自然に電源は切れる。

もう一つ優れた点を挙げるとすれば、それは辞書機能が連動する、という点だ。
分らない言葉に出くわした時、その言葉を選択すると、辞書が勝手に起動され、その意味が表示されるのだ。
「自分で辞書を引きなさい」とは、子供の時分から母親に良く言われた事だが、ヨミすら分からない漢字に遭遇した時の辞書を引く手間ときたら、 ミラノへ行くのに香港トランジットで10時間待たされるようなものだ。
「自分で辞書を引くから身に着くのよ」と言われた言葉は、「はい、その通りです」としか言えないが、「効率良く身に着けますので」と勘弁してもらうしかない。

もちろん、電子書籍になっていない著作物も多い。
作家さんによっては、紙本にこだわっている作家も少なからず居ると聞く。
その気持ちは私にも充分理解できる積りだ。
私が好きな宮部みゆきさんもその一人か?
しかし、人間何十年も生きてれば、読んだ本の量もハンパ無く、さりとて好きで買った本を売り払うことにも抵抗がある。
こんな庶民の事を考えて、少しは電子書籍化に前向きになってくれないだろうか? 

さて、話を戻すとしよう。
NHKテキストは、Kindleコンテンツとしては販売されていなかった。
私が選んだのは、「雑誌オンライン」というサイトである。
メリットは、ここの購入したコンテンツはPC、iPad、iPhone、Android全てで(残念ながらKindleは対象外)読む事ができ、しかも印刷可能だった事である。

さあ、これで道具立ては整った。
あとは、自分の努力次第。
冒頭から逃げ腰なように、さっぱり自信は無いが、自分のイタリア好きを奮い立たせて頑張ってみよう。
まあ、来年あたりの旅行に少しでも成果が出ると良いのだが・・・・・



 

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