地獄のICU からは無事脱出できたが、私の身体はなおWired な状態だ。
11階の病室からは名古屋の雪景色が一望のものに眺められる。が、ベッドの上からでは充分に堪能できなかったし、第一に私にその気力が無かった。
ドレーン(誘導菅)が入っている不快感、手術の傷口の痛みは、確実に私から気力を奪っていたのだ。
本を読む気にもなれず、ただぼんやりと窓の外を眺めるだけの時間が過ぎる。
術前のアンケートで「パイナップルが苦手」と書いたことで、若干神経質な器具が使われていたようで、看護師が時々見学に来る。
ドクターの話によれば、
「パイナップルが苦手」=「トロピカル・フルーツが苦手」となり更には
=「ゴム・アレルギー」
となり、特殊な器具を使うことになったらしい。
見せ物じゃ無いって!
浜松の友人から電話が入っていたが、話をする元気も無いので無視し、メッセージだけを返信しておく。
夕方近くになってドクターの回診があった。術前にあった脊柱菅狭窄特有のお尻からふくらはぎ外側に走っていた痛み・痺れは綺麗さっぱり消えている。
この報告にドクターも「合格点貰えますか?」
私は思わず「花丸💮ですよ!」と返しておいた。
傷口も良好とのこと。
「じゃあ管、取りましょう!」
早速背中から出ていたドレーンが外される。血腫を防ぐ為に入っていたのだが、極、浅い場所から出ていたドレーンなのでダメージは殆んど無い。
ドクターが去った後、尿管から出ていたドレーンも外される。あ~、不快なんだろうな~!
看護師は事も無げに処置する。
外される瞬間、言い様の無い不快感が下半身を走る。
「男性は尿管が長いから不快でしょうね?」軽く言うなって!
女子の尿管がどうなっているかはつまびらかでないが、女子だって不快には違いない!
「最初オシッコする時ちょっと痛いですけど心配ないですからね~」
確かにそうだった。
兎に角、これで繋がっているのは点滴だけになったのだ!この解放感!
点滴タワーにすがって部屋の入口を往復してみる。
歩ける事は素晴らしいことだ!
夕方になって妻と娘が来た。
少しは明るくなった表情が見せられたかな?
娘のキツ~い一言
「お父さんのねぐせ、笑える!」
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