久しぶりにコスコトに行った。
朝から少し腰の不安を抱えてはいたが、「行けば何とかなるだろう」程度に考えていた。
何ともならなかった。
車を駐車場に置いて、お店に入った頃には既に相当ヤバい状態になっていた。
「オレ、車で待ってるよ」
幸いにも車中に居て凍えるような気温でもない。
問題は車まで歩いていけるか?だった。
途中で休憩していけば、何とか行けるか・・・?
そんな私の思惑など無視して、妻は「車椅子借りてくるから、待ってて!」
「え~・・・?車椅子?」
あっけにとられた私を近くのベンチに座らせ、妻は一人歩いて行った。
まさか、車椅子に座ろうとは思ってもいなかった。
恐る恐る、座ってみる。
クッションは悪いが、腰は楽になった。
足の置き場所と、ブレーキを確認すると、喜々として妻は車椅子を押して店内を進み始めた。
オーッ!景色が違う!!
当たり前なのだが・・・・
いや・・・案外、快適なだなぁ、と感じている自分がちょっと怖い。
自分の行こうとする方向と、妻の行こうとする方向が微妙に違うので、時々戸惑う。
また、低い視線から見ていると、スピード感覚も微妙に違う。他人が歩いているスピードは案外早く、自分が押されているスピードも結構速く感じるのだ。
低い視線に慣れた私は、自分で車椅子を動かす事を妻に申し入れた。
妻は「人の少ない場所でなら」という条件付きでそれを受け入れた。
自分で、車輪を回してみる。
オー!案外動くものだな!
最初は人気のない場所で、基本動作を練習。
前進、方向転換、バック、回転。
これだけできれば、何とかなる。
妻と店内を一巡することに。
意外だったのは、車椅子に座っていると、気を使ってくれる人が多かった事だ。
少し大げさに「ごめんなさい!」と言ってくれる。
有難いことだが、こちらも恐縮する。
操作に慣れてきた私は、少し人ごみの中に入っていった。
車椅子が加害者になるかも?
動かなくて、停まっているだけでも人ごみの中では障害物になり得る。
そしたら、今度はこちらが「ごめんなさい!」だ。
細心の注意を払って、店内を一周。
購入すべき物を決めた妻は、今度はカートを押して雑踏の中に消えていった。
私は家電売り場で待機することに。
従業員のお兄さんと仲良くなって、新しいiPadやMacBookの話をし、コストコの保証制度のメリットを聞いた。
確かに、コストコで家電・IT機器を買うのも良いかも知れない。
うちのiPadも古くなったので、そろそろ買い替えたい。
一人家電売り場をウロウロし、BOSEのヘッドフォンを見つけた。
良い音してる。
楽器の一つ一つ、ボーカルの一人一人が、それぞれ色の違った粒のように耳に飛び込んでくる。
あ、これ欲しい!
幾らかな?
悲しいかな、車椅子からでは値札が見えない。
Shit!
車椅子用のトイレも使わせてもらった。
中で回転しようとすると、どうしてもあの広さが必要なのだという事を体感。
店内のまっ平なフロアだけでは・・と思い、帰りは車まで車椅子で行った。
歩いていると全く感じないであろう段差も、車椅子では強く感じる。
もう少し、クッション性を持たせられないものか?
今回のような限られた環境の中で判断しては軽率なのかも知れないが、案外車椅子の操作も何とかなるものだった。
こののち、来てしまうかもしれない「被介護生活」に向けて、少しは心の準備になったのだろうか?
母が数回使っただけの車椅子、自分の車のトランクに積んでおこうかと考え始めている。クッションも添えて。
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