2015年11月10日火曜日

「気」って?

一か月ぶりに大阪の友達から電話があった。
「腰痛が酷いって言ったけどその後どうや?」

彼は鍼灸師なのだ。
先月電話があった時に5月から悩まされている腰痛を彼に訴えていた、という事を思い出した。
本当に藁をもすがる思いだった。

MRI診断により、椎間板ヘルニアという診断が下り、投薬と整形外科での簡単なリハビリを3か月以上繰り返したが全く成果が上がらず、私も悩んでいた。
代替治療として電位治療にも通ったが腰痛には無力だった。
何と言っても腹が立つのは、この腰痛のせいで、予定していた海外旅行を二つもキャンセルする羽目に陥ったことだ。

「実はあの後、神経ブロックをやって、今は若干緩和されてるよ」
「あー、そうか!神経ブロックやってもうたんや!」

要件を確かめ、それを要約するとこういう事らしい。
彼は「気」による治療を始め、しかもそれを「遠隔治療」するのだという。
その実験台になって欲しいのだそうな・・・・
「はーっ!?気?遠隔治療?」
である。
具体的にその方法を尋ねてみたものの、具体的な説明は無い。こちらはただ普通に過ごしていれば良く、大阪から「気」を送ると言う。
「遠隔治療って、距離は関係ないわけ?地球の裏側でも良いの?」
「良いんや!」・・・・わけ分からんぞ!
「どういう理屈なんだよ?」
「とにかく、受けてみい!」

どうも理論的では無い。
彼の考えとしては、神経ブロックは対処療法であり無意味なのだ、と結論付けている。
それに対し、殆んどの椎間板ヘルニアは3か月程度でマクロファージの働きによって自然治癒しており、それでも痛みが続くのは、痛みによって血管も筋肉も収縮すること益々神経が過敏になるという「痛みの悪循環」が起きている可能性が高い。従ってその「痛みの悪循環を断つ」という目的の為にブロック注射を受けるのだ、と説明してみた。
それに対して彼は
「ま、とにかく受けてみい!」

私も科学万能だとは思っていないし、宇宙規模で考えれば科学で証明できることの方が少ないことぐらい知っている。
ただ、少なくとも医療機関に画像処理を含めたコンピュータシステムを提供し、物理の本を読むことを趣味の一環としている身としては、彼の「気」の説明にはどうも納得し難い。
「気」そのものに興味が無い訳ではないが、どのようなプロセスで私に到達するのだろうか?
ニュートリノのように、地球上の物を透過する、というのだろうか?
それとも、そのような疑問を持ってはいけないのだろうか?

ま、肉体的にも経済的にも負担は無さそうなので、水曜日と木曜日の痛みの違いについては報告するという約束をして電話を切った。

痛みが劇的に緩和されたら、私はひょっとして非科学的なものの信者になってしまうかもしれないなぁ・・・
しかし、それよりむしろ全然変化が無かった時に、彼から
「神経ブロック受けてしまったからアカンのや!」とか
「お前はこの話に懐疑的だかったからなぁ・・・!」
となどいうレスポンスが返って来る事を恐れている。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿