私としては珍しく社会的な話題を提供したいと思います。
昨日、取引先の担当者からお聞きした話を御披露しましょう。
彼は先日、心臓のカテーテル手術を受けました。
心臓冠動脈に狭窄部分が見つかったのだ。勿論、発見が遅れれば狭心症、悪くすれば心筋梗塞にもなりかねない。
しかし現在では発見さえ早ければ、足の付け根もしくは腕の付け根から動脈にカテーテルを挿入し、心臓までステント(網状になった金属製の短い管)を運び、狭窄部分でそれをバルーンを使って広げることで、狭くなった血管を広げ、その後も血管を支える。
この程度の事は素人の私も知っているほど一般的な処置である。
しかし、驚くべきは、そのコストなのだ。
手術に伴い一泊二日の入院をしたのだが、渡された請求書に記載された金額を見て、彼は驚愕した。
なんと40万円を超えていたからだ。
勿論その金額は自己負担分のみである。
ということは、総治療費は120万円を超えることになる。
あまりに高価な事実に私も唖然とした。
詳しく聞いてみれば、彼は狭窄部分が二カ所あったために、ステントが二本使われたようだ。
ステント一本の単価が40万円。二本で80万円。残りのコストが医師の技術料、検査費用、入院費用ということになる。
少なくとも、医師の技術料よりステント一本の方がはるかに高価なのだ。
ステントは検索しても直ぐに写真を見ることはできる。
どう贔屓目に見ても、あれが40万円もする物とは考えにくい。
聞けばステントは殆どアメリカからの輸入品なのだそうだ。
確かに成人病先進国のアメリカでこの種の技術、製品が発達したことは想像に難くない。
しかし、あの程度の物が国産化できないとはどう考えても考えにくい。
この事実は何を語っているのだろう。
確かに患者本人の負担は『高額医療費』の申請をする事で、十万円を超える部分については還付される訳だが、問題はそんな事ではない。
残り110万円以上は健保あるいは間接的に税金から支払われることになる。
これでは健康保険制度が破綻すると言われても無理はない。
あくまでも私の想像だが、ステント一本数万円でできるのではないだろうか?
少なくとも日本企業にその力はあるだろうと思うのだが……
そうすれば総治療費は半額以下になる。
更に競争原理が働けば……
なのに、そうなっていないのは何故だろう?
何が阻んでいるのだろう?
アメリカの圧力、それに迎合する厚労省…などと考えてしまうのは少々想像力が逞しすぎるのだろうか?
だが一方では、年々増加する『社会補償費』を錦の御旗に、消費税アップのシナリオが実施されようとしている。
無論、ステント一本で何が変わるものでもない。
ただ、これが氷山の一角だと思うのも、『想像力が逞しすぎる』だけなのだろうか?
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